研修・入局案内

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奈良県立医科大学放射線腫瘍医学講座では
入局者を募集しています。

癌の放射線治療を中心に腫瘍学全般を扱う放射線腫瘍学と、核医学治療の分野で、診療、教育、研究を行っています。

 放射線腫瘍学の分野では、関連する各科と緊密に連携して、悪性腫瘍の分子生物学、診断学、治療学等についての教育、研究、そして診断から放射線治療、化学療法等にいたる一連の診療をおこなっています。
特に放射線治療においては「切らずになおす癌治療」をモットーにして、最新の放射線治療装置と高度な技術を導入して最先端の癌治療に取り組んでいます。
現在、当科では、外部放射線治療用の高精度リニアック3台(TrueBeam STx、TrueBeam、Trilogy:いずれもExacTracが附属)、高線量率イリジウム小線源治療装置マイクロセレクトロン、ヨウ素125前立腺永久挿入設備、他を保有しています。また、放射線治療科のベッドも3床あり、腫瘍学における臨床研修の基本のひとつである病棟診療にも十分に対応しています。これまで本邦の放射線治療は欧米に比較するとあまり重視されていませんでしたが、21世紀の癌治療では適応患者の急増で、非常に重要な役割を果たすことが期待され、注目を集めています。
 一方、核医学治療では、放射性医薬品ががんなどに特異的に取り込まれる特徴を利用して治療を行い、甲状腺がん、前立腺がんの骨転移、悪性リンパ腫の一部、およびバセドウ病が対象です。

奈良県立医科大学放射線腫瘍医学講座では入局者を募集しています。

入局者の声

猪岡先生

 奈良医大放射線腫瘍医学講座、入局7年目の猪岡です。
 私は、学生時代に医学について学び始めた頃から特に腫瘍学に興味を持っていました。臨床実習を経て、内科や放射線治療科を志望するようになっていきました。
 初期研修は、2年間を奈良医大で過ごし、様々な診療科を経験する中で、やりがいや責任感などを感じる一方、自分には向いていないと思う診療科もありました。最終的には、腫瘍に関われる診療科を志望したいと考え、腫瘍を扱う内科や放射線治療科などで悩み、最終的に放射線治療科を専攻することに決めました。
 放射線治療は、サブスペシャリティ領域であり、専門医の一段階目は画像診断などと同じ放射線科となっています。最初の3年間は大学での放射線治療の研修を中心としながら、関連病院での研修や大学内での画像診断などの研修も行いました。放射線科専門医取得後は、放射線治療の研鑽を続け、中枢神経・頭頸部など各領域について研修を行い、この頃から方針や治療計画について指導医に都度確認を行いながら初診から治療後の経過観察まで自分が主体となって診療を行うようになっていました。現在では、他科からの電話相談やいくつかの院内カンファレンスで診療科の代表として意見する場面があります。
 放射線治療は、癌の初回治療から、終末期での症状緩和まで癌診療の様々な状況で適応があり、癌治療に興味があれば是非一度研修してみてください。

金森先生

 皆さんはじめまして!2024年度に入局した金森と申します。
私はかつて不勉強で、放射線治療科を名前しか知りませんでした。しかし当科のポリクリで他院の放射線治療施設を見学する機会があり、そこで陽子線に関するレクチャーを受けたとき、ブラッグピークというものを知りました。これは陽子線が体内で威力を増した後に急速に失うという特性で、応用すれば腫瘍より照射装置から遠い正常組織に及ぶ傷害を大幅に減らせます。この技術を知ったとき、私の中の常識は覆され、以降は放射線治療科に進むことをひたすら考えてきました。そして研修医になり、必修のローテーションを終えた後に当科で2ヶ月勉強させていただき、やはり私には放射線治療科以外の道は考えられないと再認識し、現在に至ります。
 2024年8月時点で私は、子宮頸癌の小線源治療を教授の指導の下で全例担当している他、各臓器の治療計画およびすべての入院患者を各指導医の下で携わっております。また、放射線診断科から2ヶ月ずつ来られる専攻医の先生と互いのノウハウを伝授したり、週1で任意の症例を治療計画まで考えて発表したりする機会も用意されています。入局して早々に自分で立てた計画が実際の治療に使われたり、患者さんを外来で継続して診たりすることは、研修医時代には味わえなかった体験ですし、何より照射された腫瘍が日を追うごとに縮んでいく様ほど気持ちいいものはありません。
 最後に唐突ですが、もしこのページを見ている学生さんや研修医の先生がいましたら、4週ポリクリまたは研修ローテーションに是非とも考えてみませんか?すぐに治療の前線に立てる診療科は珍しいでしょうし、特に放射線診断科を考えている方は、先に当科で画像診断学と並行して、解剖学とじっくり向き合うのもアリだと思いますよ!

研修概要・スケジュール 目標

後期研修専門医養成プログラムは、原則として希望に応じて3~6年間の研修スケジュールを予定していますが、希望があればさらにその後も継続して研修~勤務あるいは大学院進学が可能です。

1

放射線医学分野の全般的な基礎研修(1~2年間)

当科は画像診断・IVR等を専門とする放射線科と緊密な協力関係にあり、後期研修の1年目は原則として、放射線治療のみでなく、CT、MRI、超音波、その他の画像診断、IVR、内視鏡等をローテーションして、放射線医学分野全般の一般的な知識・技術を取得することにしています。さらに希望があれば、2年目にもローテーションをおこなうことが可能です。(各自の希望に応じて2年目あるいは3年目から専門的な放射線腫瘍学の研修をおこなうことになります。)

2

放射線腫瘍学の分野における全般的な研修(1~3年間)

放射線腫瘍学全般の総論・基礎知識;腫瘍学総論、治療計画、代表的な腫瘍の標準治療の習得;一般外照射(肺癌、食道癌、頭頸部癌、乳癌、子宮頸癌、前立腺癌、脳腫瘍、悪性リンパ腫、他)、三次元原体照射、定位照射(転移性脳腫瘍、肺癌)、小線源治療(子宮頸癌の腔内照射)の習得、化学放射線療法(肺癌、食道癌)と病棟管理、腫瘍核医学

3

放射線腫瘍学分野における専門的な研修
あるいは
大学院進学(2~4年間~それ以上)


放射線腫瘍学全般の高度な総論的知識、全身の各腫瘍の標準治療・先端治療の習得;一般外照射、三次元原体照射、定位照射、強度変調放射線治療(IMRT)、小線源治療(前立腺癌I-125ヨウ素永久挿入)、化学放射線療法、臨床試験の実施、他
なお、希望に応じて研修スケジュールの変更等も可能です。気軽に相談してください(担当:礒橋文明)。

キャンサーボード

月曜 婦人科腫瘍、泌尿器科腫瘍(月1回)、小児腫瘍・骨軟部(隔月)、脊椎・骨腫瘍(隔月)
火曜 消化器疾患
水曜 呼吸器腫瘍、脳腫瘍
木曜 頭頸部腫瘍
金曜

研修後の進路

本学大学院への進学あるいは医員への採用が可能です。
さらに希望があれば、全国の主要な大学、癌センター、主要病院、地域中核病院、その他への就職も十分に可能です。
本邦では、専門的な放射線腫瘍医が絶対的に不足しています。本院の専門的な放射線腫瘍学分野で研修後には、(将来的には)大学スタッフ(助教~講師以上)、あるいは全国の主要な癌センター、病院等の放射線治療部長、他として活躍されることが十分に期待できます。

研修後の進路

連絡先

住所 〒634-8522
奈良県橿原市四条町840
奈良県立医科大学 放射線腫瘍医学講座
奈良県立医科大学附属病院 放射線治療科
TEL 0744-22-3051(代表)
FAX 0744-22-4121
E-MAIL oncorad@naramed-u.ac.jp