診療内容
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診察
放射線治療医がこれまでの検査結果や患者さんの状態を確認して、放射線治療の適応があるかを判断し、治療方針の提案をします。
効果、副作用などを説明し、同意をしていただきます。
治療計画CT
実際に放射線治療をするときの姿勢でCTを撮影します。体を固定するための固定具が必要な場合は、この時に作成します。脳や頭頸部の治療の時にはシェルというお面のような固定具を作成することがあります。
治療計画
治療計画装置という専用のパソコンを使用して、撮影したCT画像をもとに患者ごとに治療計画を作成します。
多職種で検討しながら、腫瘍に線量を集中させながら、正常組織の線量を減らすような照射方法を選択します。
照射
放射線治療装置リニアックを用いて照射します。
外部照射
体外から放射線を照射する方法で、放射線治療装置リニアックから電気的に発生させたX線や電子線を使用します。当院では3台のリニアックを用いて下記のような高精度放射線治療を行っています。
強度変調回転照射
(VMAT:Volumetric Modulated Arc Therapy)
強度変調放射線治療
(IMRT:Intensity Modulated Radiation Therapy)
従来の放射線治療ではリニアックに搭載されているマルチリーフコリメーター(MLC:MultiLeaf Collimator)と呼ばれる数ミリメートル幅の金属を数十枚使用して、照射野(放射線を照射する形状)を設定していましたが、腫瘍に近接する正常組織にも放射線が照射されていました。IMRTでは照射中にMLCを動かすことにより、腫瘍に放射線を集中し、正常組織の線量を減らすことが可能となりました。
マルチリーフコリメーター
VMATは回転照射とIMRTを融合させたもので、回転型IMRTとも呼ばれています。VMATではIMRTと同等の線量分布を維持しながら、大幅に照射時間を短縮することが可能で、当院ではVMATの導入を進めています。
頭頸部癌に対するVMATでは腫瘍へ線量を集中しながら、脊髄や耳下腺、口腔などの正常組織の線量低減が可能です。
手術後の子宮頸癌に対するVMATでは小腸の線量低減が可能です。
定位放射線治療(SRT:Stereotactic Radiotherapy)
小さな腫瘍に対して多方向から放射線を照射して、腫瘍に高線量を集中させて、周囲の正常組織の線量を低減することが可能で、「ピンポイント照射」と呼ばれることもあります。1回の照射線量は通常の放射線治療と比べて数倍から10倍程度で照射回数を減らすため、短期間で治療が終わります。
肺癌に対するSRTではピンポイントで腫瘍に高線量を照射し、周囲への線量の広がりを抑制しています。
小線源治療
自然に放射線を放出する能力を持つ放射線同位元素を腫瘍やその周囲に挿入したり、埋め込んだりして直接照射する方法です。
高線量率密封小線源治療
イリジウム192という放射線同位元素が内蔵されたRALS (Remote After Loading System)という機器を用いて照射します。腔内に挿入したケーブル内をワイヤーに接続されたイリジウム192が移動と停止を繰り返すことで腫瘍に放射線を照射し、照射が終わると、イリジウム192はRALSの中に格納されます。
RALS装置
低線量率小線源治療
ヨウ素125という放射線同位元素を前立腺内に埋め込み、そこから放出される放射線で直接照射します。放出される放射線量は時間が経過するにしたがって、弱くなり周囲の人への影響がなくなります。当院では泌尿器科と合同で前立腺癌に対する治療を行なっており、症例数は2000例を超えて西日本最多です。